ブックメーカーの戦略に期待値を応用 | 期待値の計算と活用
ブックメーカーの期待値の重要性や計算方法、実践の応用方法も含めて詳しく解説していきます。
ブックメーカーで稼ぐためには、戦略的なベッティングポートフォリオが非常に重要となってきます。
ブックメーカーの期待値が分からなければ、効果的なポートフォリオを組むことすらもできません。
そして期待値に直接影響するオッズは、ブックメーカー各社が独自で決定するもので、同じ試合の同じ賭け方でもオッズは各ブックメーカーで異なります。
そのため、各ベッティングの期待値を最大化するためには、期待値のロジックを理解して最もオッズの高いブックメーカーでベッティングすることが重要になります。
ブックメーカーの期待値の重要性
まず前提として、ブックメーカーにおける期待値とは「1ベット当たりに獲得出来る金額の平均値」の事です。
もちろんブックメーカー以外のあらゆるギャンブルにおいて期待値は設定されています。ただし、全てのギャンブルにおいてこの期待値はマイナスに設定されています。
理由は至極当然の事ですが、ギャンブルには胴元が存在し胴元が儲けるようになっているからです。
もし期待値がプラスに設定されている(プレイヤー側が必ず勝つ)というギャンブルがあった場合、胴元は儲けがない為運営を続けられずに潰れてしまいます。
ブックメーカーを初めとするギャンブル全般において、本気で勝つのであれば確率や期待値は絶対的なものであり、期待値の理解なくして継続的な勝利はあり得ないからです。
話を戻します。ブックメーカーにおける期待値が重要な理由は、ブックメーカーにおいては試合ごとに期待値が異なります。
そして中には期待値がプラスになっているものも存在します。
また、計算すると期待値がマイナスになっているが、自分がそのスポーツやチーム、選手などについて詳しいのであれば、ブックメーカー側が設定している勝率よりも実際はもっと高いなどと自分ならではのロジックを当てはめる事で期待値を計算し直し、その結果プラスの期待値のゲームがある。といった事もあり得ます。
以上の事からブックメーカーにおける期待値は非常に重要なものである為、しっかりと理解いただき皆さんの勝率アップに繋がればと思います。
期待値と還元率の違い
この手の話をする際によく出てくるキーワードとして出てくるのが期待値と還元率です。まずは基本の『き』である期待値と還元率の違いを理解しましょう。
期待値とは、前述の通り「1ベット当たりに獲得出来る金額の平均値」の事です。
還元率とは、「1ベット当たりにプレイヤーがベットした金額に対して還ってくる割合」の事です。
この還元率が低ければ低い程、プレイヤーは勝つ事が難しいゲームという事になり、還元率が高ければ高い程、プレイヤーは勝ちやすいという事になります。
まとめると、期待値がプレイヤー側に還ってくる「金額」を表しているのに対して、還元率はプレイヤー側に還ってくる「割合」を表しています。
期待値の計算と応用方法
次に具体的な期待値の計算方法と応用方法について解説します。
期待値を自分自身で計算し期待値を考慮した上でベットするのとそうでないのとでは大きく結果が異なってきます。
ただし期待値の計算はそれほど難しい物ではありません。ここでは期待値の計算方法と具体的な応用方法について解説します。
ブックメーカーの期待値の計算方法
期待値は以下の計算式で求める事が出来ます。
期待値=1ベット当たりの獲得金額×当選確率-1ベット当たりの損失金額×落選確率
それぞれの項目は以下の計算式で算出します。
・1ベット当たりの獲得金額=賭け金×対象のオッズ-賭け金
当選確率=1÷対象のオッズ
・1ベット当たりの損失金額=賭け金
落選確率=1÷負ける場合のオッズ+1÷ドローの場合のオッズ
例を交えて具体的に説明します。
例えば、川崎フロンターレ (1.365)対名古屋グランパス (3.825) ドロー (2.700)の試合があり、川崎フロンターレが勝つ方に1万円ベットするとします。
この場合の期待値を求めていきます。
まずは期待値を算出する為に必要な項目の計算は以下となります。
1ベット当たりの獲得金額=1万円×1.365-1万円=3,650円
当選確率=1÷1.365=0.733
・1ベット当たりの損失金額=1万円
落選確率=1÷3.825+1÷2.700=0.631
これらを用いて期待値を計算します。
期待値=3,650円×0.733-1万円×0.631=-3,635円となります。
つまり、今回の例で1万円をベットすると平均で3,635円損をする事がわかります。
ただし、注意点が2つあります。
1つ目は、オッズは各ブックメーカーが決めている為、サイトによって異なります。より高いオッズになっているサイトからベットするようにしましょう。
2つ目は、オッズは各ブックメーカーが決めている為、コインの裏表やサイコロの出面などのように絶対的な確率ではありません。
あくまで誰かが決めた物ですので、例えば上記の例で川崎フロンターレが勝つ確率はもっと高く90%くらいあると確証が持てているのであれば、その数値に置き換えて期待値を計算する事も可能です。
ブックメーカーの期待値の応用方法
期待値の応用方法について解説します。
前述していますが、前提としてギャンブルには胴元が存在する為、期待値は基本的にはマイナスに設定されています。
よって、期待値の計算を自身で行い『いかに期待値がプラスのゲームを探せるか』がポイントになってきます。
その上で以下のアクションを取ると勝率を上げる事が出来ます。
①複数のブックメーカーに登録する。
②ベット対象を決める際、1つのブックメーカーサイトである程度期待値が高い (もしくはプラスの) ゲームを見つける。
③②で見つけたゲームを他ブックメーカーサイトで探し、それぞれのサイトにおける期待値を算出する。
④③で見つけた中で最も期待値が高いブックメーカーサイトでベットする。
これが基本のアクションです。
元からオッズが高めに設定されているサイトも存在しますので、まずは②で確認する際に期待値が比較的高いサイトを使用される事をオススメします。
ブックメーカーのオッズを勝率に変換する方法
ここではオッズから勝率に変換する方法について説明します。
まず、オッズから正しい勝率を算出する事は不可能です。そのため疑似的な勝率とします。
正しい勝利率を求められない理由としては、そもそもオッズは変動するものであり、勝率 (確率) は本来絶対的なものです。
オッズはベットを行うプレイヤーに心理によって変動します。
ブックメーカー側にはトレーダーと呼ばれるオッズを設定する担当者があり、そのトレーダーがオッズをどれくらいにすればどれくらいのプレイヤーがいくらぐらいベットするかを予測し、オッズを設定しているのです。
よって、オッズ公開後のプレイヤー達のベットの仕方によってオッズは変動します。
一方で、勝率 (確率) はわかりやすい例で言えば、サイコロで「1」が出る確率は1/6。これが翌日になると1/7なんて事はあり得ませんよね。
よって、勝率 (確率) が変動する事は絶対にあり得ません。
さて、具体的なオッズから勝率への変換方法についてですが、実はこれは前章にて記述されている「当選確率=1÷対象のオッズ」がベースになってきます。
ただし注意点があります。2章の例で出てきた、川崎フロンターレ (1.365)対名古屋グランパス (3.825) ドロー (2.700)の試合で説明します。
2章で期待値を計算する際に用いた、川崎フロンターレの勝率は73.3%、名古屋グランパスの勝率は26.1%、ドローの確率は37.0%となります、お気付きの方もいると思いますが3つを合計すると136.4%と100%を超えてしまいます。
これはブックメーカー側の利益が含まれている為100%を超過するようになっています。
よって「当選確率=1÷対象のオッズ」でも近しい確率を算出する事は出来るが、正しいものは算出出来ません。
オッズからの疑似的な勝率を計算するサイトなどもある為、そちらを用いて算出する事をオススメします。
ちなみに、今回の例で勝率を算出すると以下となります。
川崎フロンターレの勝利の確率53.694%
ドローの確率27.145%
名古屋グランパス勝利の確率19.161%
期待値の精度を高めるための「フィボナッチ」
数学に長けている方は「フィボナッチ」と聞いてピンときたかもしれません。そうです、その通り、「フィボナッチ数列」です。
実はこのフィボナッチ数列を用いてブックメーカーにおける期待値の精度を高める事が出来ます。
その前にフィボナッチ数列について簡単に触れておきます。 フィボナッチ数列とは、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチによって発明された数列です。
「0、1、1、2、3、5、8、13、21、34・・・」とその項における数値は2つ前のものと1つ前のものを足した数値になる。 (8=3+5)
これをブックメーカーに応用すると「1、1、2、5、8・・・」というようにベットする金額を順々に増やしていき、利益が出た時点でまた最初に戻るというようにベット金額をコントロールします。
こうする事で損失を最小限に抑えつつも少しずつ利益を増やす事ができ、結果的に期待値を上げる事が出来ます。
注意点としては、オッズが約2.6以上の試合において有効とされている為、オッズが2.6以上あるものを探してベットされる事をオススメします。
ブックメーカーの期待値まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。ブックメーカーにおける期待値について理解頂けたのではないかと思います。
何気なくゲームに対してベットするというのもやり方としてはアリなのですが、積み重ねていくと間違いなく損をします。
改めてにはなりますが、ギャンブルで勝とうと思えば期待値や確率などをしっかりと理解し入念に準備をする必要があります。
もちろん期待値を理解する事でブックメーカーで必ず儲ける事が出来る訳ではありませんが、少なからず勝率を上げる事が出来ます。
そして何よりも、正しく仕組みを理解し思考し、自分の中で試行錯誤を繰り返す事によって、自分自身のブックメーカーにおけるベット方法の型というものが出来てくると思います。
そうなっていけば勝率も上がってくるはずなので、ブックメーカーが楽しくなってくる事間違いなしです。
プレイヤー側に還ってくる「金額」を表しているのが期待値で、プレイヤー側に還ってくる「割合」を表しているのが還元率です。
「フィボナッチ数列」を用いてブックメーカーに応用することがおすすめです。
CasinoTopsOnline編集部
監修: 和希愛
編集長