ブラックジャックで使えるベーシックストラテジー
実際にベーシックストラテジーに沿ってブラックジャックをプレイした場合に得られる勝率や確率を検証して解説します。
ブラックジャックでは、ベーシックストラテジー (基本戦略)に従ってプレイすることで勝率や還元率を上げることができると言われています。
カジノにはいろいろな戦略が確立されていますが、特定のゲームではなく、「勝率2倍のゲーム」には汎用的に使用できる必勝法が多く存在します。その中でも、ベーシックストラテジーはブラックジャックの勝率や還元率を上げるためだけに確立された専用の必勝法です。
ベーシックストラテジーは、ランダムプレーより確実に勝率を上げることができ、暗記することで初心者にも簡単に使えることから非常に有名な必勝法の一つです。
ベーシックストラテジーの概要
ベーシックストラテジーとは、ブラックジャックの有名な戦略の一つで、プレイヤーの手札2枚とディーラーのアップカードの全通りの組み合わせから、最も勝率の高くなる次のアクションを定義した必勝法です。
ベーシックストラテジーには、プレイヤーの手札2枚がA(エース)を含まない異なる数字で構成される場合に使うハードハンドのストラテジー表、A(エース)と異なる数字で構成される手札に使うソフトハンドのストラテジー表、そして手札2枚が同じ数字の際に使うスプリットハンドのストラテジー表の3種類が用意されています。
ブラックジャックでは、初めに配られた2枚のカードから適切なストラテジー表を選択して、ディーラーのアップカードから最適なアクションを取って進めていきます。
このベーシックストラテジーで決められたアクション通りにプレイすれば、理論上は勝率や期待値を上げることができます。
では、実践でベーシックストラテジーに沿ってブラックジャックをプレイした場合、果たして勝率や期待値は理論値を超えるのでしょうか。オンラインカジノのライブカジノを利用して検証していきます。
ベーシックストラテジーの使い方を知らないかたは、「ベーシックストラテジーの活用方法を図解付動画で解説」で詳しく解説していますので、まずはこちらをご確認下さい。
ベーシックストラテジーの勝率と期待値
ブラックジャックはあらゆるギャンブルのなかで最も還元率の高いゲームと言われています。
ギャンブルでは胴元(運営)がビジネスとして利益を上げなけれならないので、全てのゲームには必ず還元率や勝率、期待値などが存在します。このような確率の意味を混同してしまうとゲーム選びに失敗してしまう可能性もあります。
例えば、「ベーシックストラテジーの勝率」と「ベーシックストラテジーの還元率」では意味が異なりますが、どちらを参考にするかはプレイヤーの運資金や勝ちパターンによって重要視する確率は違います。
勝率とは!?
勝率とは、「何回ゲームをやって何回勝ったか」を表しているので、ブラックジャックを10回やって4回勝てば、勝率40%と計算できます。ブラックジャックは、基本的に2回ゲームをやると1回勝てるゲームなので、理論勝率は50% (厳密には約47%)です。
ギャンブルの1ゲームで勝てる確率のことが勝率なので、「どのくらい勝ちやすいゲームか」を知るときの参考になります。
期待値とは!?
期待値とは、「賭けた金額がどれくらいの金額になって戻ってくる見込みがあるか」を表していますので、期待値の単位は円やドルなど通貨です。
例えばブラックジャックで1回1000円を賭けて3ゲームやった時の期待値は、(2,000円×47/100)+(2,000円×47/100)+ (2,000円×47/100) = 約2,820円で算出されます。
従って、期待値は「軍資金を全て使った場合に最終的な手元に残る金額」を表しているので、連勝して軍資金を上回った際の引き際を判断するのに役立ちます。
還元率とは!?
還元率 (ペイアウト率)とは、「賭けた金額に対して払い戻される割合」を表しており、期待値とほぼ同じ意味です。先ほどの期待値の例でいうと、
合計3,000円を賭けて払い戻される見込み金額が2,850円でしたので、還元率95.0% (2,850/3,000×100)で算出できます。
また、還元率の反対に控除率(ハウスエッジ)という確率指標があり、これは胴元(運営)が1回のゲームから得られる見込み利益の割合を表しています。従って還元率95%のゲームでは、「5%」が控除率(ハウスエッジ)となります。
ハウスエッジについては、「ハウスエッジ」に詳しくまとめています。
ギャンブルにおける勝率と還元率の関係
仲間内で賭け事をやるときには胴元が存在せず、運営手数料を考えなくても良いので、例えばルーレットなら「0」は必要ありません。ルーレットで「0」が存在せず、単に赤18個と黒18個で構成されている場合、赤(黒)の当たる確率はぴったり50%です。この時には賭けた合計金額と払い戻される金額は一致するので、「賭けた金額=期待値」で還元率も100%となります。
但し、ギャンブルの場合には胴元(運営)が手数料として見込める金額を考慮しなければなりませんので、ルーレットの「0」というのは、胴元の手数料を見込むために存在します。
ベーシックストラテジーの勝率と確率を検証
ベーシックストラテジーでブラックジャックをプレイすると勝率はどのような結果になるのでしょうか。
他のサイトでも手札の組み合わせからバーストする確率や「21」の揃う確率などは紹介されていますが、実際に自分がブラックジャックをプレーする時にベーシックストラテジーを活用することで、勝率を上げることができるか否か、が気になっているプレイヤーも多いかと思います。
このベーシックストラテジーの検証では各条件を現実的な範囲に設定して、ベーシックストラテジーを活用した際の勝率や他の確率を見ていきたいと思います。
ベーシックストラテジーの勝率を検証するに当たり、以下の条件で行います。
オンラインカジノ | エルドアカジノ (Eldoah) |
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プロバイダー | エボリューションゲーミング |
デッキ数 | 8デッキ |
ゲーム回数 | 100ゲーム |
1単位ベット額 | 100円 |
開始残高 | 5,700円 |
エルドアカジノの概要は、「エルドアカジノ レビュー | Eldoah Casino」に解説しています。
エボリューションゲーミングについて詳しく知りたいかたは、「Evolution Gaming」をご覧ください。
ベーシックストラテジーの検証
ベーシックストラテジーでブラックジャックの勝率を検証した際の動画は以下となります。再生時間が長いので結果だけを知りたい人は、動画をスキップしてください。
ブラックジャック100ゲームに要した時間は約2時間、最終残高は3,400円(-2,300円)という結果に終わりました。
ベーシックストラテジーの勝率と確率の考察
今回ベーシックストラテジーの検証結果としては、開始残高を下回りました。本来は信頼性の誤差を5%として検証する場合には数万回の試行回数が必要とされますが、今回は実際にプレイすることを前提にしていたいので、現実的な100ゲームで検証しました。では、今回の検証結果を細かく解説します。
検証項目①:プレイヤーの勝率
ベーシックストラテジーで勝率を検証したところ、
34勝53敗13引分けでしたので、勝率34%という結果に終わりました。
検証途中で開始残高を上回った時もありましたが、途中連敗したことで結果的に開始残高を下回りました。この検証結果からも分かるように、ベーシックストラテジーだけを使っても100回程度のブラックジャックでは勝率の向上は見込めません。ブラックジャックで勝率を上げるためには、ベーシックストラテジー+αの戦略が必要と思われます。
検証項目②:プレイヤーの期待値と還元率
ベーシックストラテジーで期待値を検証したところ、
開始残高5,700円から最終残高3,400円、期待値よりマイナス2,000円、還元率は約60%という結果に終わりました。
ブラックジャックの還元率は約95%-98%と言われているので、理論的な期待値は5,400円程度になるはずですが、100回プレイすると理論値を大きく下回ることになりました。このまま継続して1,000回,10,000回,100,000回まで検証すれば、理論値に収束していくことになります。但し、運資金を超えるタイミングもあったので瞬間的に還元率100%を上回ることもあります。
検証項目③:ディーラーのバースト確率
ブラックジャック100回でディーラーのバーストする確率を検証したところ、
13回のバーストがあったので、確率としては13%という結果で終わりました。
ディーラーのバーストする理論確率は、アップカードによって異なります。ディーラーのアップカードがA(エース)の時、最もバーストする確率が低く12%、アップカードが5の時、最もバーストする確率が高く43%になりますので、本検証で平均バースト確率13%というのは理論値よりディーラーがバーストしなかったことを意味しています。但し、ディーラーのバースト確率の範囲は12%~43%なので、今回の検証結果13%は理論値の範囲内と言えます。単に運が悪かったということでしょう。
検証項目④:ディーラーの伏せているカードが「10」の確率
ブラックジャックの開始時に、ディーラーの手札は1枚がアップカード、1枚は伏せた状態で配られます。この全員が分からない伏せられたカードが「10」である確率を検証したところ
24回だったので確率としては24%という結果で終わりました。
ブラックジャックでは、10,J,Q,Kのカードは全て「10」とカウントすることから、他のカードよりも4倍多く入っていることになります。従って、必然的にディーラーの伏せているカードは「10」の確率が高いということです。ディーラーの伏せているカードが「10」である理論確率は「30.8%」であることからも今回の検証では、24%と少し理論値より低い結果になりました。
検証項目⑤:ブラックジャックになる確率
始めに配られる2枚の手札の合計が「21」になる組み合わせをブラックジャックといい、その時点で勝ちが決定します。今回ディーラーとプレイヤーがそれぞれブラックジャックになる確率を検証したところ
ディーラーは4回で確率4%、プレイヤーも4回で確率4%となりました。
ブラックジャックの理論確率はディーラーもプレイヤーも「約4.7%」であることから、本検証の4.0%は理論値に近い結果となりました。
ベーシックストラテジーの勝率と確率のまとめ
今回はベーシックストラテジーの勝率と期待値 (還元率)を主に検証しましたが、勝率も還元率も理論値を大きく下回る結果になりました。
もちろん試行回数100回では理論値と比較しても信頼性そのものが低いことになりますが、実際に我々プレイヤーが1日のカジノで稼ぐために、ベーシックストラテジーを活用しても勝率を上げる効果はあまりなく、ベーシックストラテジーで機械的にプレイすることよりも楽しむほうが重要かもしれません。ただ、1か月毎日カジノ通うかたにとっては、有効な戦略と言えます。
またカウンティングで解説していますが、ブラックジャックの性質上、シューに大きい数字のカードが残っている際にはプレイヤー有利、大きいカードが出てしまい小さい数字がシューに残る時にはディーラー有利となります。
この原理を利用した必勝法が「カードカウンティング」になり、ベーシックストラテジーとカードカウンティングを組み合わせることで、勝率も大きく改善することができます。
CasinoTopsOnline編集部
監修: 和希愛
編集長